過去の日記へ
 1月31日(月)
 
 仕事の大波を乗り越えてから、せっせと現実逃避に飲み会にいそしんでいたので、結局頭の中が芝居モードになる前に稽古が再開してしまった。再開稽古は、しんやさんや忍ちゃん、見学のダイさんも集まり、わりとにぎやかに始まった。12月半ばから演出業に専念していて筋トレもろくにやっていなかったため、おとといの稽古では死にそうになった。でも、久しぶりにゲームやインプロもやって、楽しかった。
 そして昨日は、筋肉痛で微妙にギクシャクする体を引きずって殺陣教室へ。居合い着を身に着けてご満悦気分でいたところ、「今日ははじめにタックルジャンプをやります。」と赤池氏。なぬ!?タックルジャンプってなに?私、ジャンプものすごく苦手よ?始まったのは、思いっきり高くジャンプして空中でひざを抱え込むジャンプで、いやー、つらいのなんの。一回もちゃんとできてないのにつらかった。それから腕立てや腹筋もみっちり入った筋トレまで。袴着て筋トレやるなんて、想像だにしなかった。ああ、赤池さんは絶対にどエスだ。みんなが「ええ〜っ」と恐怖の表情を浮かべると、うれしそうに回数を増やすんだ。
 でも、一度やると、次からはそれほどつらいと思わなくなるから不思議だ。急に肉体が追いついたわけじゃないのにね。素振りも、50本ずつだったときは面打ちと左右面と小手打ちで計150本で死にそうになったが、昨日は一人へって40本ずつだっただけでずいぶん楽な気がしたものだ。以前なら40本だって考えられなかったのに。なるほど、啓介くんに「腕が太くなったね」と言われるわけだ。
 
 さて、そろそろ本格的に本書きにとりかからなくてはならない。
 今回は第2回公演「Heaven's door」の再演だ。作品そのものはすでにあるとはいえ、せっかくだから前回より少しでもおもしろくなるように手を加えたい。ヘブンを書いたときのことは、ずいぶん前のような気がするけど、今でもよく覚えている。あれから2年たっている。その間の自分なりの成長や劇団としての成長を作品に表すこと、それが今回のチャレンジのひとつだ。
 ホームページもそろそろ次回公演に向けてリニューアルします。しばしお待ちくださいませね。
 
 1月27日(木)
 
 公演翌週の反省会を無事に終え、その翌日から怒涛のごとく仕事の波に襲われて、忙殺されていた。私は安請け合いと自転車操業を信条としているので、仕事を気軽に引き受けておいてあとからひいひい言うのはいつものパターンなのだが、今回はいつにも増して現実認識ができていなかった。1月締め切りの仕事がいくつもあることを知っていたのに、新春公演で頭が芝居ボケしていたのだ。結局、公演前に負けず劣らず短い睡眠時間で格闘することになり、目から鼻血が出そうだった。まあ、飲んでる暇もないのでそういう意味ではいたってヘルシーな毎日だったが。
 しかし、昨日をもってようやく一段落。開放感に満ちあふれて、昨夜は芝居を観に行き、帰りに居酒屋で飲んだ。がしかし、眠気のあまりPHSを店に置き去りにするという失態をやらかし、今日引き取りに行った。うう、恥ずかしい。
 そんなこんなで、この半月ばかり気球日記にもまったく手が回らず、世間では死亡説まで流れていたそうだが、松田は健在である。忙しいながらもなぜか身の内にバイタリティが満ちあふれ、へこたれない日々だった。仕事でいろいろな人に会ったり話したりすることも、苦痛ではなくむしろ意欲がわき、充実感が得られた。もうずいぶん前のことのような気がするけれど、sleep公演が私に何らかのエネルギーをもたらしてくれたような気がする。

 話は変わって、気球もついに倉庫を借りた。
 今までは大道具の類はとりあえず松田家に蓄積してなんとか収まっていたのだが、今回はさすがに物理的に限界を超えたので、公演後すぐに倉庫を借りる手配を始めた。やはり必要なものは必ず手に入るもので、西荻窪にまあまあの条件のところが見つかった。ケイスケくんに運んでもらい、2往復で我が家のパネルやブロック、木材の類を一切合財倉庫に移す。
 ああ!うちはこんなに広かったのか!感動!!もう家に入っていきなり階段にぶち当たらなくてすむ!トイレに行くたびにおなかや背中をこすらなくてすむ!過ごしやすい部屋にいると、気持ち的にも余裕が出てくるようだ。やっぱり環境って大事。

 さて、そんなことをしているうちになんと!早くも今週末には稽古再開じゃないかっ!次回公演は4月末、気がついてみればもうすぐだ。本は、いつできるんだろうな。
 
 
 1月11日(火)

 
 第5回公演「please,deep sleep プリーズ ディープ スリープ」終了!
 観に来てくださったみなさん、ありがとうございました!そして、客演してくれた役者のみなさま、極寒の受付でがんばってくれた当日スタッフのみなさま、仕込み・バラシを手伝ってくれたみなさま、そしてまた一緒に作品を生み出すことができた劇団のみんなにあらためて感謝申し上げます。どうもありがとう。

 今回の公演にあたってはじめに心に決めたのは、とにかく書きたいことをゆずらずに本を書くことだった。当たり前なんだけど、案外これが難しい。脚本を書くとき、それが舞台の上に乗ったときにどう見えるのか、不器用な展開じゃないだろうか、お客さんはどう思うだろうか、物理的に可能だろうか、莫大な予算がかかるんじゃないか、あの劇場じゃ無理なんじゃないか、この役を誰がやるんだろうか、役者はやってて辛くないだろうか、などなど、無意識にもろもろの制約に縛られる。それはそれで別に悪いことではないんだけど、今回はそういうことをできるだけ度外視して書いてみようと思った。手の内でおさまる芝居よりも、どあーっと感情があふれるような芝居がやりたかった。
 今回のキャストは総勢14人で、今までの作品と比べると一気に倍増だった。まずは役者集めに頭を抱えたが、やはり望んでいれば不思議と天から降ってくるもので、それもとっておきの個性的な顔ぶれが集まった。ふだんは作・演出をしている人、自ら劇団を率いている人、実は歌手をやっている人、初舞台の人、学生の人などなど。これだけいるとなかなか全員の予定が合わず、全員そろって稽古できたのはわずかに数回だったが、合宿を境に作品全体の見通しも立ち、芝居が歩き始めたように思う。そして正月も返上して稽古に追われながら、本番を迎えた。某演出家も書いているが、本番になると演出はもう用済みで、そのくせ化粧直しをする暇もなく雑事に追われる運命にあるのだが、今回は今までになく本番を楽しむことができたような気がする。きれいに立て込んだ舞台は本当に法廷のようだったし、秦くんの力作映像とダンスのコラボレーションも小屋入りして初めて見ることができたので、一観客のような新鮮な気持ちで本番のステージを観ていた。
 
 今回の作品を創りながら思ったこと。
 人と人とは、結局結びつきたがるものだと思う。合意のもとに結びついているならそれで不足ないし、利害が一致していれば便利だし、共感や友情を持てればうれしいし、その結びつきが愛情であるなら特にハッピーだ。しかし、愛情は時に移ろい、無意識のうちにいつしか単なる習慣やルールに転じていることがある。また、共依存や主従関係など、愛情と似て非なるもので結びついている場合はなおさらやっかいだ。「愛している」という約束が、関係を縛るのだ。しかし、そのことはなかなか自覚されない。愛情とは、かくも不確かで嘘・大げさ・紛らわしい。
 それでも、人が絶望から立ち上がったり、自ら行動を起こそうとするとき、なにかを愛したいという根本的なエネルギーが必要なのではないか。それは、特定の誰かを、といった狭い意味での愛情ではなくて、生命として、身の内から湧きあがるエネルギーだと思うのである。

 さて、怒涛のごとく公演が終わって、まさにディープスリープしたい気分だが、いよいよ仕事に本腰を入れなければならない。年末年始の休みをどっぷりと芝居に漬かって過ごしたので、生活リズムも思考回路もすっかり仕事モードを逸脱してしまった。今朝、無事寝坊することもなく仕事場に行ってみたら、なんだかやけに新鮮で楽しかった。頭を切り替えていくぞ!

 

 1月1日(土)
 
 あけましておめでとうございます。さっき、明けたばっかり。なんだか実感もわかないけど、今日からまた新しい年の始まり。今年はどんな年になるのかな。わくわく。

 大晦日は格闘技を見て締めくくった。PLIDEとK-1を行ったり来たりしながら、大興奮。レコ大も紅白も、ここ数年は縁がない。まあ、ミーハーにわかファンなので詳しいルールとかよく分からないんだけど、とにかく格闘技を見るのは楽しい。
 柔道の金メダリスト瀧本誠のPLIDEデビュー戦はおもしろかった。対するは、大相撲出身の戦闘竜。体格もパワーも異なる経験者を相手に、最初はいかにも素人らしく腰も浮いて、攻めあぐねていた瀧本。しかし、第3ラウンドまで戦ううちに、リングの上でみるみる成長していくのが手に取るように分かった。身体感覚がものすごくいいのと、絶対に負けないという気迫が満ちていたからだろう。最後は判定勝ちで瀧本の勝利。これからも楽しみな選手だなあ。
 大好きなミルコ・クロコップは、前回負けた相手とリベンジマッチ。一気に締め上げて秒殺し、雪辱を晴らす。いい顔してたなあ。最高な気分だろうなあ。
 これまた大好きな魔裟斗は、新進の山本キッド徳郁との対戦。これもおもしろかった!試合自体のスピードがものすごく速く、お互いダウンを取り合う白熱ぶり。山本キッドは新進とは思えないほど体の動きがよくて、ハラハラした。跳びかかったり、思いっきり殴りかかったり、本当にケンカみたいな激しい試合でファイナルラウンドまで持ち込み、魔裟斗の判定勝ち。でも、悔しかったんじゃないかな。こんなに手こずるとは思ってなかっただろうから。
 ボブ・サップは、私はKO勝ちかKO負けか、どっちかしか見たことなかったので、初めて彼の試合らしい試合を見た。
 曙は、また負けてしまった。やはり、俊敏さに欠けて、K-1向きではないように思う。しかも、横綱の看板があるだけに、中途半端な相手とは対戦できないのか、デビュー戦以来一度も勝利をあげていない。大相撲時代をよく知っているだけに残念だ。でも、彼をあれだけ格闘技に駆り立てるものはなんなんだろうか?負けても負けてもリングに立ち続ける横綱は、やはり並みの気力ではないだろう。
 こうして一年の終わりに格闘技を見ると、すごく気分が引き締まる。体ひとつで、勝つか負けるかで、生きている人もいるんだ。カッコいい。

 2004年は、あっという間に過ぎてしまった。
 2月のサムライアカデミー、5月のレンジャー、9月のリバーサイドの「ええじゃないか」、そして年明け早々の公演に向けてと、忙しく芝居作りに関わり続けた一年だった。いろんな人に出会い、いろんなことがあった。私にさまざまな機会をくれた人や、支えてくれた方々、一緒にいてくれた方々に、あらためてお礼を言いたい。おかげで、充実した一年でした。本当にありがとうございました。
 そして、2005年も、さらなるチャレンジを続けていきたいと思っています。自分は何がしたいのかよく見極めながら、楽しんで次の展望を描いていきたいと思います。それよりもまずは、8日・9日の公演を成功させるべく、ラストスパートです。本当の意味で新しい年が来るのは、それからかな。みなさん、心よりお待ちしています。