 |
| 10月29日(金) |
最近、どうしても頭を離れないことがあるので、書く。
今回、殺人事件を扱った脚本を書くにあたって、いろいろな過去の事件を調べた。実にさまざまな事件があった。中でもひときわ酷い事件だと思ったのが、16年前に足立で起きた「女子高生コンクリ詰め殺人事件」である。この事件は、「ああ、そう言えばそんなことあったかも」程度には記憶していたのだが、今回初めてその詳細を知ることになって、愕然とした。あまりの凄惨さに、戦慄をおぼえた。
そんな折、たまたま裁判所に傍聴に行った今週の月曜日、神作譲の公判をやっていた。こいつは(この人と言いたくない)、コンクリ詰め殺人でつかまった4人の犯人のうちの一人で、当時17歳、小倉譲という名前だった。あれから10年にわたって服役していたのだが、数年前に名前を変えて出所。今年になってまた監禁・暴行事件を起こし、つかまったのである。もちろん、この公判を傍聴した。
公判は厳重に警備が敷かれた中で行われた。傍聴人の私たちは、荷物をとりあげられ、ボディチェックを受けて法廷に入った。入ったときにはもう被告人はスタンバイしていて、傍聴席を数名の警備員が警備していた。もちろんこれは、傍聴人が法廷内に押し入って、被告人に危害を加えたりしないように、できるだけ刺激しないための配慮である。傍聴人はみな終始無言だったが、空気が怒りや憎しみに満ちていて、とても重かった。
神作の顔はネットで見ていたが、たしかにそのとおりの、でも想像以上に病的な容貌の、背の高い男だった。肌は病的に白くてハリがなく、なんというか顔立ちがくっきりせず、後頭部が絶壁であるせいか頭が小さく見え、いくら背が高いといっても不釣合いなほど手が長くて、全体的にバランスの悪い印象だった。
公判の内容は、被告人質問だった。穏やかな感じの弁護人質問には殊勝な感じで答えていたが、「前の事件で出所したとき、これからどんなふうに生きていこうと思ったのですか」と問われて、やつは「明るく生きていこうと思った」と答えていた。続いて、検察官に今回の事件について追及されると、だんだん語気が強くなり、ふてぶてしさが感じられた。話す内容はたくみに論点をずらす感じで常に核心に触れず、裁判で不利にならない方法を心得ているようだった。もっと検察官に追及してほしいところだったのだが、その日は閉廷となり、傍聴人が先に外へ出された。
あれから、あの事件のことがどうしても頭を離れない。犯人を間近に見たことで、事件の生々しさが頭の中でどんどんふくらんでいる。公判を見た直後よりも、今は日を追うごとに事件のイメージが増大している。見れば辛いのに、事件のことをあらためて何度も調べてしまう。あの手が、あんなことをしたのだ。あの目が、笑って地獄を見ていたのだ。あの頭は、あんなことができる頭なのだ。あいつは人間の形をしているけれど、人間ではない。
それに、ずっと昔の事件のような気がしていたけれど、あらためて考えてみれば、私と神作は2歳しか違わないのだ。被害者の女の子もそうだ。事件に関わった犯人たちの中には、私と同い年の少年もいたのだ。事件は昔のことでも、生きている人間は現在に続いている。そんなことをぐるぐる考えていると、当事者でもないのに体が震えてきて、気持ち悪くて、いろんなことが手につかない。まさにdisgust。これほどの憎悪がリアルに自分の中を跋扈したことが、今までにあっただろうか。
要するに、あいつを見たことで私の中であの事件がますます現実味を増し、単純に言うとショック状態なのだ。どう処理すればいいのか分からないのだ。だから、何度も事件の中身に触れて、自分の心をスクラッチしている。この痛みに慣れるように、でないとちゃんと事実を見て、考えることができないから。私は、事件から目を逸らしたくない。どんなに悲惨でも、目を背けてしまったら、犯人たちを黙認することになりそうで怖い。この社会の一員として、起こったことを見つめていく義務があると思う。たとえ、世論のかけらに過ぎないとしても。
犯人たちの中には、もうとっくに出所して、結婚して子どもがいる者までいる。主犯の宮野裕史も、2008年には出所するらしい(もう仮釈放されたらしいとの情報もあり)。刑期を勤め上げたあいつらは、それでつぐなったことになるのか?そして、つかまらなかった共犯者・傍観者は今どんな思いで生きているのか?裁かれるべき人間は、他にもたくさんいるじゃないか。どうして17歳の女の子があんな目に遭い、あんな死に方をしなければならなかったのだろう。どんなに痛くて、どんなに熱くて、どんなにこわくて、どんなにみじめだっただろう・・・涙するしかない。
今日は気球日記らしからぬ内容になったが、今の私にはいろんな形でアウトプットするしか、方法がないのだ。
|
| 10月27日(水) |
第5回公演のキャスティングもまだなのに、第6回公演の小屋が決まった。小屋選びは、いつも後手後手になってあたふたするのが常だったのだが、今回は秦くんが第6回公演小屋部長を引き受けてくれて、いち早く目ぼしい小屋を当たってくれたので、ねらい通りの日程でおさえることができた。第6回公演は、2005年4月29日(金)〜5月1日(日)、アイピット目白にて行います!
先日、稽古帰りにみんなで小屋の下見に行った。舞台や客席、ブースの様子、機材なども大事だが、ロビーや楽屋が広いことも重要なポイント。ひと通り見せてもらったが、広々として使いやすそうなきれいな劇場だった。「わあ、ここで芝居がしたい!」と思った。私にとっては、その直感が一番大事。どんな小屋でも必ず一長一短はあるものだけれど、好きになってしまえばうまく生かせるものだし、そのための労力が苦にならないから。
第6回公演では、第2回公演で行った「Heaven's door」の再演をする。1月の公演が終わってから3ヶ月半という短いインターバルなのだが、かつての本を書き直し、もっと魅力的な新しい作品にしていきたいと思っている。再演は、私にとっても初めてなので、どうなることかワクワクする!
あ、その前に、deep sleepのキャスティングだな ^^;)
キャスティングもそうだけど、これからの稽古プランについて見通しを立てなくてはならない。今回はキャストが多いことに加え、みんなそれぞれに都合があるので、全員が毎回参加できるとは限らない。それをうまく乗り越えるべく、演出として作戦を立てるのだ。
そう言えば、昨日・今日は、気球計画が旗揚げ公演を行った日。あれから2年、一歩一歩は小さかったけれど、よくここまで歩いてきたなあという気がする。作・演出として、まさに暗中模索だった私も、少しは進歩したんだろうか。いや、きっとしていると信じて、これからも先へ進む。
|
| 10月25日(月) |
キャスティングを今週末にひかえて、最近稽古場がとてもにぎやかだ。今までの稽古場では狭苦しく感じるほど。うれしいなあ。まだ全員が稽古場にそろったことはないのだけれど、今回の顔ぶれもまたいろいろ個性的で、どう影響し合うのかとても楽しみ♪
みんみんから、チラシのラフイメージが送られてきた。今までの気球のチラシとまた一味違って、いい感じ。とまっちもさっそくBGMの候補曲を持ってきてくれた。今も聴きながら書いているが、ほんとにとってもいい雰囲気。とまっちの音は、いい意味で私の想像を裏切って、イメージの幅を広げてくれるので本当にありがたい。
温めてきたたまごが、もうすぐ生まれそうでコトコト揺れている感じだ。今週末のキャスティングを節目に、孵化しそう。ヒナが出てきたら、大きな鳥に育てるのだ。
|
| 10月18日(月) |
先週の金曜日、晶子さんと阿佐ヶ谷のかまどかへ飲みに行った。この店は、阿佐ヶ谷で稽古があるたびに立ち寄っている店だが、おなじみの店長さんがこの日を最後に転勤するとのことだったので、別れを惜しみに。この店長さんと私は同い年で、それだけでも親しみを感じていたが、とにかくその人柄で、お客さんをたくさん集めているような楽しい人だ。
この日は勤務日ではなかったそうで、いろいろなお客さんのテーブルを回りながら一緒に飲んでいた。レンジャーの打ち上げのときにも、朝まで店を使わせてくれて、夜通し一緒に飲んだのだったが、一緒に飲むのはこれで2回目。劇団を立ち上げたときの話をしたり、先日「ええじゃないか」を観に来てくれたときの感想を話してくれたり、たくさん話してとてもおもしろかった。店長の今までのお仕事の話や、独特の店長哲学も、なんだか参考になったし。男気のある人っていいわぁ。
新しい店長さんも紹介してもらった。とても初々しい雰囲気の若者だった。世代交代なのね・・・。 |
| ◆◆◆ |
さて、次回公演の準備が少しずつ進みつつある。
今回は今までになくキャストが多いので、人集めに苦労するのではないかと思っていたが、「やりたい」と言ってくれる人に次々出会うことができ、感謝している。まだ声かけ中の人、考え中の人もいるが、なんとか今月中にはキャスティングを決めたいものだ。そして、脚本ももっと練っていきたい。みんなに読んでもらうと、それぞれのキャラクターと会話しているような気分になる。もっと話したい、もっとこんなことが言いたい、という声が聞こえてくる。
スタッフ陣も、とまっちがオペも含めてまた音響を担当してくれることになったり、チラシやパンフレットのデザインをまたまたみんみんが担当してくれることになったり、うれしい限り。昨日の稽古では、さっそく舞台美術案まで出来てきて、だいぶイメージがわいてきた。
さて、私もがんばらねば。役の声に耳を澄まし、自分の中の内なる声に耳を澄まし、芝居を創っていくんだ。妥協せず、しっかり地に足をつけながら、見たいものを見に行くんだ。今回のplease,deep sleepは、気球計画的にはたぶん今までで一番シリアス。でも、とても好きな作品になりそうな気がするのだ。
|
| 10月14日(木) |
先日、ノートパソコンがいきなり立ち上がらなくなってしまった。がーん。。。ズボラな私がまめにバックアップなどしているわけもなく、仕事のデータもたくさん入っていたので、真っ青になる。
職場にパソコンに詳しい人がいるので、手術してハードディスクを摘出してもらい、なんとかハードディスクに入っているデータだけは保護することができた。私はドキドキしな がら見守るのみ。そして、再セットアップをしたところ、何事もなかったようにさくさくと稼動するようになった。しかし、メールやアドレス帳などは真っ白に。ああ、これからはまめにバックアップをするんだ!それにしても、パソコンて便利だけど、いざとなると白紙に戻るのがおそろしい。
今日、サンモールスタジオで千流螺旋組という劇団の「灰神楽」という芝居を見た。戦時中に生きた芸術を志す若者たちの生き様を描いた作品。何気なく見に行ったのだったが、いやあ、泣いた泣いた。久しぶりに、カーテンコールで役者の顔が涙でまともに見えなかった。まっすぐで、切なくて、命がけだった。そして、どんな時代にも、人は愛し合いながら、結び合いながら生きてきたのだなあと思った。
偶然だと思うけど、最近戦争がらみの芝居をよく見る。先日見たふれる〜じゅという劇団の「BRAINDED MEMORY」という作品も戦争モノで、といってもこちらは未来の戦争を描いたものだったのだけれど、これも興味深かった。
戦争モノが多いのは、時代の影響なのか。まあ、芝居でやっているうちはまだ平和なのかもしれないけど。でもやはり、最近の戦争モノを見ると、過去を肝に銘じるというより、未来に向けて気を引き締めなくては、と感じる。
次なる戦争モノは来月頭のgooday.co「火風の標」だ。数年前に見た「春を告げる祭りの中で」も号泣した戦争モノ。今回もとても楽しみだ!
|
| 10月11日(月) |
3連休最終日。いろいろな身の回りの雑事が片付いて気分がよい。
夜、劇団新に出張していた六つ子の気球ブロックたちが我が家に帰ってくる。BEYOND公演に出張して以来、ずっと里子に出していたので、我が家に帰ってくるのは久しぶり。しかも今回白く塗られて、お色直ししている。考えてみればこの子たちは、レンジャーで初舞台を踏んで以来、もう2度も客演しているのだ。えらい、えらい。
さて、10月12日の日替わりをもって、気球ホームページはdeep sleepバージョンに模様変えいたします。
このところ、カウンターの伸びも調子がよく、うれしい限りです。栄えあるカウンター20000をゲットした方には、ペア招待券をプレゼントしますので、どうぞお申し出くださいませ!
|
| 10月10日(日) |
1月公演の脚本が、どうにか昨日完成。いやー、今回は自分で決めたしめきりを自分で破り続け、水野ブログのうさぎにまで「本が・・・」と急かされる始末だったが、ともかく完成にこぎつけてちょっと一息つける。「まだですか?」「本が楽しみだなあ」と言われるのはプレッシャーではあったが、反面ではちょっとうれしくて励みになった。今までは本当に一人でこもって書いていることが多かったけど、今回は孤独ではなかったから。
で、さっそくできたてほやほやの脚本を昨日の稽古の前に印刷しようと思ったら、がー!!台風が!
しかし、気球計画は常に雨天決行である。たしか恋愛メニューの印刷のときも台風に見舞われたのだった。雨には負けん!土砂降りの中、手分けして印刷と稽古場確保に走る。なんとかぎりぎり稽古に間に合う時間に印刷が終わり、脚本を抱えて外に出たときぼうぜんとした。なんと!滝のような雨だ!傘をさしていても全身ずぶぬれになるありさまだったが、何とか無事に稽古場まで本を持っていくことができた。ふぅ。
稽古場は、雨漏りのために子供用プールが広げてあった・・・。ろくぼくに衣服を干して乾かしつつ、稽古開始 。台風にもかかわらず、3名の見学者およびタカヒロを迎え、にぎやかな稽古になった。
後半は、できたばかりの本読み。見学の方にも帳合を手伝ってもらって、いきなり読み合わせした。
初めて本を披露するときは、いつも緊張する。いずれ披露するのだから出し惜しみしてもしょうがないんだけど、でもやっぱり緊張する。これからこの本を、いろいろいじりながらいい作品に仕上げていこうと思う。ようやくスタートラインに立ったばかりだ。 |
| ◆◆◆ |
そして今日は芝居のはしご。
はじめに中板橋新生館スタジオで、晶子さんが客演する劇団新の公演を見た。オムニバス形式だったので、それぞれカラーの異なる5つの作品を気軽に見ることができた。初舞台の人もいるとのことだったが、人が新しいことにチャレンジしているエネルギーに触れるとなんだか刺激される。晶子さんはパッとして元気な役で、生き生きしていた。あ、明日見に行く人もいるからあんまりネタばれしないようにしよう。
夜は、江古田ストアハウスでサバイバーパンクスという劇団の「キューティーバニー」を見に。殺陣や小ネタが盛りだくさんで、にぎやかな感じの美少女特撮モノ(?)だった。作・演出の人は、きっとアニメやゲームが好きなんだろうなあ、と思ったが、主役のバニーが、テンション高くておもしろかった。お客さんで、偶然知人に会ったりしてびっくりした。世間は狭いなあ。
あーああーああー♪(お嫁サンバ風)
こうして芝居三昧できるのも本書きがひと段落したからだ。しかも明日はまた休み♪いろんなことができるなー。本も読みたいし、映画も見たい。ホームページも作り変えたいし、部屋を片付けたい。まずは手始めに気球日記のバックでも変えてみました。ちゃんちゃん♪ |
 |