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 気 球 日 記
 5月31日(月)
 
 世にも幸せな平日休みの一日。
 自然に起きるまでたっぷり寝たあと、さらに昼寝もしてしまう。こんなぜいたくな時間の使い方できるの、久しぶり。その後、いよいよ気合を入れて部屋の片づけを始める。木材やらブロックやらに占拠されていた空間がだいぶ広くなって、ようやく人間の住処らしくなった。小泉さんは、使い道はまったくないけど、なんとなくまだ捨てられないので、もう少し部屋に飾っておくことにする。ついでに衣替えもおこない、いろいろ好きな服が出てきて、夏が待ち遠しくなった。

 それから、BEYONDの振付を考える。
 おおまかなイメージはできていたものの、いざ動いてみるとうまくいかなかったり、テンポに合わなかったりするところもあって苦戦。自宅だと鏡も小さいし、足音も気になるので思いっきり動けない。やっぱり稽古場を借りて、こもればよかったな。
 振付をするときの感覚は、なんとなく脚本を書くときに似ている。どちらも無から形を作り出すことには変わりない。ひとたび軌道に乗ればするするとイメージがわくが、考えなければ何も出てこないという根本的なプレッシャーは同じ。
 ま、ともかく明日は、稽古場にお邪魔する約束の日。もうひとがんばりして、いいダンスを持っていけるようにがんばろう。
 
 5月29日(土)

 先週、今回公演の反省会が終わり、おとといは前回に続いて今回もまた公演を見に来てくださった大八へ、お礼参りと称して飲みに行った。いやはや、どちらもむちゃくちゃ飲んでしまった。来週職場の健康診断があるが、まじでヤバかったらどうしよう。
 さて、これでいよいよ、ひと区切り。気球計画はこれからおよそ1ヶ月の間、充電期間として稽古もお休み。その間にも、新規メンバーの募集や、貸し倉庫探しや、いろいろとやらなければならないことはあるが、この休みを有効に使いたいと思う。

 最近、移動中はひたすらBEYONDのダンス曲を聴き続ける日々。今月中に振付をしなくてはならないので、ちょっと焦り始めている。でも、曲調が気球ダンスとは一味違う雰囲気なので、また違ったイメージがわいておもしろい。のびやかな感じのダンスにしたいなあ。
 
 そして、来週からは、9月の客演公演の稽古が始まる。
 そうそう、ここではちゃんと紹介したことがなかったかもしれないけど、9月に客演するんです。昔お世話になった演出家さんの、本当に精魂込めた芝居になりそうで、そこに加われることに喜びを感じています。詳細はまたお知らせしたいと思います。
 今回は役者として、どこまでできるか分からないけど、どこまでもいくつもりでがんばりたい。熱い夏になりそうな予感!
 
 5月21日(金)
 
第4回公演「Dear my Ranger」終了!

 
 ダーーーーーーーーーッッッ!
 第4回公演「Dear my Ranger」が終了した。
 観に来てくださったみなさん、今公演に参加・協力してくださったみなさん、本当にありがとうございました!!
 そして、今回もさまざまな形で私を支えてくれた方々、私のエネルギーが枯渇しそうなとき薪をくべてくれた方々、本当にどうもありがとう。感謝の思いは言葉に尽くせません。
 終わってみればあっという間・・・でも今回も楽しくて幸せなお祭りでした。
 
 今回の作品の舞台となった高校の旧校舎は、私の中に今でも残る大切な風景である。卒業後ではなくて在学中だったが、高校時代に校舎の立て替えがあり、旧校舎から新校舎へと引越しすることになった。私が旧校舎で過ごしたのはたったの一年間だったが、それでもそこには数え切れないくらいの思い出があった。深夜でこそなかったものの、私は何度か旧校舎に忍び込んで別れを惜しんだ。そして私も、たくさんの落書きの中に、そのときの自分にとって一番の思い出を書き記した。
 旧校舎はあっという間に取り壊されてしまった。ショベルカーで無残に崩され、片付けられていくのを毎日見ていた。あれから十年余り、おとなの階段をすっかり降りてしまった今となっても、あの風景は忘れられない。
 そこを舞台に今回の脚本を書きながら、あの頃よく聴いた音楽をずっとかけていた。BOφWYやら、今回のダンス曲にも使ったTHE BLUE HEARTSやら。久しぶりに聴いていると、今でも不思議なくらいあの頃と同じ興奮がよみがえってきた。あの頃の思い、そして今の自分、その間に流れた時間や出来事。そんなものをつらつらと思い出すうち、レンジャーに出会い(それはまったくの思いつきだったが)、今回のストーリーが生まれた。
 あれからほんの数ヶ月、そのストーリーは本当に形になり、そして今はもう終わって旅立っていってしまった。今回は、演出や振付をしていても、新しいアイディアを思いついたり、役者のアドリブをすかさず取り入れたりして、いろいろ今までにはない自由な試みができた公演だったと思う。今はまださびしいけれど、今回の作品にはこのはかなさがちょうど似合っているような気もする。子どもが大人になる途中の、決してとどまっていることのできない一瞬を、でもたしかに今に続いているはずの一瞬を、刻みたかった。      

最後のキャスト、愛称・小泉さんとともに。
 
 
 さて今週は、たとえば、クリーニング屋とかスーパーとか、お店が開いている時間に家に帰れるのが新鮮な一週間だった。公演前からいささか崩し気味だった体調も、日を追うごとにめきめきと回復して、やはり休養はなによりの薬なのだと痛感。
 火曜日、晶子さんと、日生劇場に岸谷五朗プロデュースユニット・地球ゴージャスのクラウディアを観に行った。これがまた、ダンス、衣装、舞台美術、歌、舞台上にこめられているエネルギー、すべてが桁違いにゴージャスで、圧倒された。ずっとレンジャーでいっぱいだった自分の目を、開かされたような気分でうちに帰る。世間は、もっともっと、広い。この規模の芝居を打つのは今の私には到底無理でも、もっとスケールの大きな目を持たなくては。
 そして、久しぶりの休日だった今日は、午後から、ゴスペルをやっている友達の発表会を聴きに行く。ゴスペルを聴くのは2回目だが、あのエネルギーはすばらしい。あふれるカタルシスと、あの不思議な一体感は、魅了される人が数多くいるのも納得できる。聴いていたら、泣かせる曲でもないのに、なぜかうるうるしてしまった。
 その後、今度振付をすることになっているBEYONDの稽古場へ向かう。ダンスのイメージや隊形について打ち合わせをしながら、稽古場の空気を味わう。一週間前に一緒に本番を終えた扇谷くんやマヤちゃんが、もう違う顔で稽古をしていた。そんな2人の表情を見てうれしくなるとともに、ちょっと反省する。私がまだ部屋も片付けられないでうだうだ過ごしたこの一週間、2人はもう次の舞台に向かって走り始めていたのだ。私も、がんばっていい振付をしなくては、と思う。そして、次のチャレンジに向かって動き出さなくては。
 夜、久々に家族が会して飲み会。先日結婚した兄と、その奥さんも交えて、ちょっと珍しい空気の飲み会だった。家族って、なんだか不思議なもんだな。

 さて、そんなこんなで明日は反省会。まだ残務整理が全然終わってないぞう。まずいぞう!
 
 5月10日(月)
 
 いよいよ公演ウィーク突入。私にとっては、今日が最後の、夜の予定がない日。大事に過ごさなくては。

 昨日・一昨日と、公演時程での稽古。いろいろなことがあり、なかなか時程通りにはいかなかったのだが、ともかく来週の本番と同じように、2日で5回の通しを行う。しまいには稽古場にいる全員がかなりの極限状態だったが、それでも最終回が一番よかったので、なんとかいけるだろう。
 稽古場にいる間は気が張りつめているので乗り切ったが、帰り道でどっと疲れが襲ってきた。こんなに疲れる公演、初めてかも・・・と思ったけど、前回の恋愛メニューのときにも、気球日記に同じようなことが書いてある!ま、こういうものなんだなあ。
 ここにきて、照明・音響さんとの打ち合わせや、当日の段取りの打ち合わせなどいろいろなことがあり、なかなか芝居を見ることに集中できないのがちょっと歯がゆい。まあ、それもこれも舞台づくりのうちだから、当たり前のことだけど。稽古場で稽古ができるのもあと2回しかない。大事に使って、5回とも悔いのない公演ができるようにしたい。

 えー、あらためて宣伝。
 おもしろいもの見せますよ。
 少なくとも、私がこの芝居を赤の他人として見に行ったら、大好きだと思う。この舞台を作っている人が、うらやましくなると思う。
 ・・・と、自画自賛したところで、今度はあなたが、ぜひ感想・意見を聞かせてください!劇場でお待ちしています!
 
 
 5月5日(水)
 
 うおー!あっという間に5月だ!そして気球日記サボりすぎだった。なにしろ時間がない。1日24時間と言わず、30時間ぐらいほしい。あるいは眠らなくても元気な体がほしい。
 今回は、稽古期間そのものはわりと長かったのだが、ダンスが2回あったり、階段が欲しかったりで、この時期になってドタバタすることがまだ多い。しかもこの期に及んで新しいこと思いついたりしているので、まったくいったいどうなることやら。HPももっと更新したいし、タイトル映像もやっぱり流したいし、大道具の仕上げもあるし、これからやることがたくさんある。あと10日間、時間と体力の勝負だ。でも、極限状態で駆け抜けるぐらいがちょうどいいのかもしれない。本番前に落ち着いてしまったら終わりだ。ひとつひとつ、乗り越えていくのだ。

 あまりにサボりすぎだったので、ここ最近の日々を何から書けばいいのか思いつかないほど、いろんなことがあった。
 もはや気球計画恒例となった、つたやでの合宿。写真の乙間さんや音響のとまっちや以前出演してくれた啓介くんやたかひろや、なんだかいろんな人が入り乱れて、にぎやかな合宿だった。初日朝方まで飲んでたわりには、2日目、元気に初通しができた。そして、合宿までにと必死でつけたダンス2の振付がようやく完成して、わたし的にはものすごくものすごくホッとしたのだった。
 そして、この合宿の夜に、ユージンがオーストラリアへ旅立った。最後にみんなの声が聞けて、彼も幸せだっただろう。いや、そうに違いない。そして、一人ずつ彼と話しながら、みんなもそれぞれ何がしかの元気をもらったようだった。私もそうだ。ユージンは、毒舌を吐きながらも相手に愛を与えるという複雑なワザを操る男。おそるべし。ま、とにかく、遠い空の下から、無事を祈りたいところである。
 それからGWに突入し、ロング稽古の続く日々。ロングなだけでなく、毎回のようにダンススペシャルなので体力を使う。そして、ロング稽古のたびに通し。今回は、芝居全体の中でのペース配分をよく考えて作らないと、ぬるぬるな芝居になりそうなので、通し稽古は大事。今週末は本番と同じ時程で2日間で計5回の通しを行う。笑顔で強引な演出・松田である。
 そして、稽古の合間を縫って大道具作り。今回は、階段とブロックを作成した。男性陣全員と小道具担当の亜季ちゃんが我が家の駐車場に集まり、休日一日を費やして無事に完成した。人使いの荒い劇団・気球計画である。

 最近、稽古場で役者たちの顔を見ているのが楽しい。みんながどんどん変わっていくし、新しいことがどんどん出てくるし、どんどんいい顔になっていく。そして私は、どんどん好きになっていく。早く、みんなが舞台に立っているところをお客さんに見せたい。
 そして、一方ではちょっと切ない。花嫁の父の気分である。そして、花嫁の父と違うのは、本番が終わったらもう役としての彼らには会えなくなることだ。でも、そんな切なさに負けたりしないぞ。
 悔いのないように、いい顔をたくさん見ておこう。
 そして、いい舞台に彼らを乗せよう。
 そして、お客さんにも自分自身にも、かけがえのない時間を刻むことにしよう。