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 気 球 日 記
 12月29日(月)
 
 26日は仕事納めだった。今年は週末とつながっているから仕事納めが早くて、ちょっとお得な気分。
 その帰り、晶子さんと芝居を見た。今年もたくさん芝居を見たけれど、これが最後。SPIRAL MOONの、「メモリーズ」という作品。この劇団は、前に見た作品もとても素敵で、そして前回に続いて小野坂さんが出演しているので、とても期待していた。
 これが、とてもよかった。30分の短い作品を2本立てで構成していて、上演時間はちょうど1時間。年明けを迎える11時半からの30分間に起こった2編の物語をつづった作品。どちらも、多くを語らないのにそれぞれの感情が満ち満ちていて、どの役にも感情移入してしまい、涙を誘われた。てらうことなく、正直に生きている人は、美しい。小野坂さんは、役どころ的に今まで私が見た芝居の中では一番ノーマルなサラリーマンの役だったが、何もツクリモノらしいところがないのに存在感があって、とても素敵だった。言葉の一つひとつが、まっすぐ胸につもっていくようだった。本当に素敵な役者さんだ。
 あれから数日たったが、今でもこの芝居を思い出すと胸が温かくなる。何があってもちゃんと生きていこうという、勇気みたいなものが湧いてくる。いい芝居って、きっとそういうものなんだ。

 27日・28日は、劇団の仲間8人で、温泉に行った。コテージに泊まったのだが、温泉だけじゃなくて、フィールドアスレチックや迷路などもあり、本気になって遊んでしまった。夜はもちろん飲みながら、人生ゲームやらトランプやらをやりまくり、気がつけばもう4時過ぎになっていた。もう何年も忘れていた遊びをしまくって、楽しかった。
 

 
 2003年も、もうすぐ終わります。
 今年も、気球計画は新しい出会いに恵まれて、幸せな一年でした。公演を見に来てくださったみなさん、このページを見てくださったみなさん、客演してくださったみなさん、そして、しょうもない主宰を支えながら今年も一緒にやってくれた劇団員のみなさん、本当にどうもありがとう。どうぞ、よいお年をお迎えください。
 新しい2004年に向けて・・・こうでありたい自分を見失わず、さらなる飛躍の年にしていきたいと思っています。きっと、いい年になると思います。みなさんにも、幸せなことがたくさん訪れますように。
  
 12月21日(日)
 
 この週末は、サンタ祭りだった。
 なにが祭りかというと、金・土・日と、タイトルに「サンタ」とつく芝居を3連チャンで見たのだ。たまたま、なんだけどね。さすがにクリスマスシーズン、満開。

 どれもタイプが違って、世の中いろいろだなあ、と実感。金曜日のサンタは、いろんな意味で???だった。なぜ、トナカイが半裸??なぜサンタがロリコンSM??思わず出演していた知り合いの役者さんに、「・・・もっといいとこ出たほうがいいよ・・・もったいないよ・・・」とよけいな進言までしてしまった。すいません。
 土曜日のサンタはもちろん賢ちゃんが出演したサムライアカデミーの「さ無頼サンタ」。サムライらしいシュールな芝居だった。賢ちゃんは鼻血が出るほど熱演だった。9月に一緒に舞台に立った役者さんばかりで、小屋も同じだったので、あらためて客席から見つめるのが新鮮でもあり、私は開演前からハイだった。見終わったあとは、そのテンションのまま一緒に見に行ったみんなと飲み会。扇谷くんも途中から合流して、すっかりいつもの気球飲みになった。
 そして今日のサンタは、座・キューピーマジックの「黒いスーツのサンタクロース」。この作品は、劇場の都合でできなかった昨年をのぞいて、ここ10年あまりずっと再演を繰り返している作品で、私も見るのは4回目。毎回、心に残るシーンがたくさんあって、セリフもストーリーもよく覚えているのに、また見たくなるのだ。今回もまた、泣かされてしまった(ま、泣く気マンマンで行くんだけど)。この劇団はここのところ演出の方針を少し変えたとかで、前に見たときよりなんとなく全体に芝居が小さめになっているような気がしたのはちょっと残念だったんだけど、でもとても好きな作品。あんな作品を演出したら、私は稽古のたびに号泣だろう。でも、ちょっとあこがれる。

 今日の稽古には新しい見学の人も来て、新鮮で楽しかった。年内の稽古も、残すところあと1回。
 
 
 12月17日(水)
 
 このところすごく視力が落ちた気がしたので、今日眼科へ行った。調べてもらったところ、近視が進んだのではなくて、乱視が進んだのだということ。コンタクトレンズを新しいものに買い直す。仕方のないことだけれど、一生私はこの透明な膜をかぶらないとクリアな視界を得られないのだろうか。ああ、うざったい。目のいい人がうらやましい。
 帰りに、どこからかビートルズのレット・イット・ビーが流れてきた。偶然にも、最近、時々耳にする。あの曲を聴くと、なぜか涙が出そうになる。

 それはともかく、先週末の稽古には、実家に帰ったユージンも遠路はるばる参加してくれた。そのあと、恋愛メニューで写真撮影を担当してくれた乙間さんをお招きして、飲み会。稽古には来られなかったメンバーもなんだかんだとやって来て、最後には総勢10人のにぎやかな飲み会になった。
 乙間さんは、この日、公演のときの写真を持ってきてくださった。乙間さんとはユージンつながりで知り合ったのだが、恋愛メニューでは本当に甘え通しですっかりお世話になってしまった。写真撮影のみならず、会場スタッフまで手伝ってもらったのだから、ずうずうしいにもほどがある!?でも、若いに似合わずお父さんのように落ち着いた方で(byユージン)、来ていただくたび、さり気なく飲み会を盛り上げてくださった。
 その乙間さんが持ってきてくれた写真が!これがまた、乙間マジック!みんな、見たことないほどいい顔で写っているではないか!!写真はすべて白黒の2Lサイズで、撮影はもちろん、現像も一枚一枚乙間さんの手によるもの(in乙間家浴室)。撮った写真は何百枚にも及んだそうだが、今回は、今までになく急いで仕上げてくれたとのこと。せっかちな主宰がいるからかしら。
 それにしても、写真ておもしろいなあ、と、あらためて感じた。ほんの一瞬の表情を、永遠にとらえられるなんて、考えてみればすごいことだ。稽古中の写真だから、役者はみんな役の顔になっていて、あらためて素の顔とのギャップがおもしろかったり、ああ、こういう顔してたよなと、とても愛おしい気持ちで思い出す。
 中でもビックリしたのは扇谷くん。いつもは、カメラを向ければ照れ隠しのようにかえって変な顔になってしまう彼が、ありのままのイケメンぶりを発揮。実はカッコよかったんだなあ、と今さら確認する。乃維ちんは、なぜか誰よりもソロでアップの写真が多かった。乙間さんの思い入れか?ちなみに、私は先日部屋の掃除をしていて、数年前の彼女の写真を発見した。彼女の成長ぶりを実感した。晶子さんは、なんて怒りの表情がサマになる人だろう。もちろん、笑顔も真顔もすてきなんだけど、あれほど嫌味なく怒れる人を私は知らない。でも一番いい顔してるのは、飲み会だったりする。ユージンは、結城光輔としての顔がたくさん写っていて、おもしろいなあと思った。基本的には普段からやわらかい雰囲気のユージンだが(ただし時々毒舌を吐く)、光ちゃんとしての顔はそれともまた違うやわらかさだった。ほんとにかわいい。マヤちゃんは、本当に舞台映えする人である。舞台化粧をして舞台に立つと、女の私でも見とれてしまうほど美しい。前回公演とはまったく違うタイプの役だったので、今回は彼女の変貌ぶりにとても楽しませてもらった。賢ちゃんは、動きで笑わせることのできる、貴重な役者である。実は、ふとした感情の動きも表情に表れているので、あらためて写真を見るととてもおもしろい。妙にテレながら自分の写真を見ていたのがまたカワイかった。そして和世さんは、乙間さん曰く、「一番表情をとらえるのが難しかった」とのこと。たしかに彼女は、普段のクールな表情から一転して、舞台上ではめまぐるしくさまざまな表情を見せる。全開の迫力が見ていて気持ちいい。写真の表情にもそれが表れていた。
 
 とにかく乙間さんには大感謝。
 そして、私も、稽古場での写真をいただいた。稽古場の私は、こんな顔してるんだなあ。右はとても気に入った1枚。


 
 12月12日(金)

 先日行った稽古場は、児童館を兼ねた施設なので、部屋の中にいろいろなものがある。ピアノ、畳、トロフィー、レゴ、CD・・・そうでなくても狭い部屋なので、いつもは稽古をしながら「邪魔だなあ!」と思ってしまうのだが、先日はその狭い部屋に大きなクリスマスツリーが飾ってあった。
 ますます場所をとっているのに、なんとなく、あるとうれしいのがクリスマスツリー。こまやかにいろいろな飾りがつけてあって、かわいらしい。
 子どものころ、毎年クリスマスの前に、兄と2人で大きな靴下を作った。靴下といっても新聞紙で。それから、サンタさんに手紙を書いた。クリスマスの朝目覚めると、プレゼントは靴下の前に置かれていて、手紙はそのまま残っていた。そして、次の年には、今年こそはと気合を入れてできるだけ丈夫な靴下を作り(中にプレゼントを入れて欲しかったから)、精一杯心を込めて手紙を書いた。でもやっぱりプレゼントは無事な場所においてあり、手紙もそのままになっていた。
 ある年、サンタさんのプレゼントは初めて望みのおもちゃとは違って、1冊の本になっていた。それから、サンタさんは私に毎月本をくれるようになった。

 今日、ここのところ時間をかけて作ってきた仕事をお仲間の方々に見てもらって、ひとまず好評だったのでとてもホッとした。こういう日には本当にビールがおいしい。帰り道の空気の冷たさもいい。最近、よく歌いながら帰ってくる。古い歌だけれど、浜田省吾の「MIDNIGHT FLIGHT」とか「もうひとつの土曜日」とか、今の季節にとってもよく合う。ふと口ずさみ始めると、意外にも歌詞を全部覚えている自分にびっくりする。
 
 
 12月7日(日)
 
 今朝ベッドの中で目が覚めたら、背筋と腹筋とふくらはぎ(要するにほとんど全身)がミシミシ言っていて、身動きするのに勇気が必要だった。やっぱり来たよ、筋肉痛!まあ、翌朝早々に来ただけまだマシかー。そして、今日は階段の上り下りがほとんど拷問だった。特にくだり。
 ということで、昨日から稽古が再開。初めて来た方も含めて、10人が集まり、にぎやかに基礎練をした。体を動かすことが、声を出すことが、久しぶりで楽しくて、なんだか妙にハイテンションだった。ストレッチして、筋トレして、フットワークして、ゲームして、発声して、即興をして、それで3時間あまりの稽古。公演稽古も楽しいけれど、基礎練の期間も私は好き。公演稽古中もうちはわりと基礎練をやっているけど、時間を気にしないで、ゆっくりたっぷりできるから楽しい。
 昨日、稽古をしていてふと気づいた。稽古をしていると、たくさん笑える。昨日の稽古1回で、稽古が休みだった1か月分と同じぐらいは笑ったような気がする。もし芝居をやっていなかったら、私の人生トータル笑い時間数はてきめんに減っていただろう。笑うってことは、老化防止にもなるし、最近ではがんの予防にもなるとさえ言われているのだ。はっはっは。笑え、笑え。
 で、稽古のあとは大八に飲みに行った。途中、啓介くんが来月の公演のチラシを持ってきてくれたり、新しい人もいたりで、にぎやかな飲み会になった。
 さあ、また新しいフレーズが始まる。そろそろ、ほんとに次の本のことについて考えなくては。また、あの時間がやってくる。ぐおおおおおおお!
   
 今日は、新宿で友人と会った(友人なんていったらおこがましいかな)。昼間からビールを飲みながら、いろいろ話をした。昼間のビールってなんであんなにおいしいんだろうか。もちろん、昼間はさすがに2杯・3杯・4杯・・・とはいかないので1杯だけ。ちょっと血の巡りがよくなる程度でちょうどいい。
 誕生日祝いに、写真立てをもらった。写真立ての中に、サミエル・ウルマンの詩が書かれたクリスマスカードが入っていた。その詩の一部・・・
   「人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる、
    人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる、
    希望ある限り若く 失望と共に老い朽ちる。」
 その人と知り合ったころ、私はまだ23だった。あれから7年もたち、今このように祝福してもらえることを、私はとても幸せに思った。
 
 
 12月5日(金)
 
 今日は寒かった・・・空気の冷たさが刺さるようだった。でも、冬生まれのせいか、私は冬がとても好き。空気が引き締まって、眺めもきれいだし。マフラーと手袋であったかくして、「うー、さぶさぶ」と言いながら外を歩くのが好き。

 今日は、お誕生日祝いにと、同じ職場の人が飲みに誘ってくれた。女4人で、新宿へ。師走の金曜日、新宿はどこも混んでいて、3軒も店を回ってようやく空きを見つけた。
 最近あんまり職場の人とは飲んでなかったから、久しぶりに飲みながらあれこれ話しておもしろかった。けっこう飲んだし、久しぶりにたくさん食べた。今度は最近マンションを買った人のおうちでお泊まり会をすることになって、それも楽しみ。

 さて、明日から稽古再開である。稽古がないのは物足りないなあ・・・と思いながら心待ちにしていたが、充電期間は過ぎてみればあっと言う間だった。明日は、新しく見学の人が数人見える。また心機一転、がんばるぞ!!
  
 
 12月2日(火)
 
 昼間、ちょっとうれしいことがあって、空を飛べそうになった。「浮き足立つ」という言葉があるが、まさにそのとおりで、うれしいときは宙を歩いているような気になる。動く歩道の上を歩いているような身軽なスピードで。

 そして、夜には、モアイさんが誕生日祝いにと、映画に連れて行ってくれた。見たのは、『ローマの休日』。実は私はビデオでもこの作品を見たことがなくて、初めてだった。新宿のテアトル・アイマックスシアターで劇場公開していたので、それを見に行った次第。
 いやあ、これがとても素敵だった。見たことある人にとっては言うまでもないことなんだろうけど、オードリー・ヘップバーンのあのノーブルな美しさ、かわいらしさ、成長ぶり、どれをとっても圧巻な存在感だった。最初から最後まで、こんなに引き込まれる映画は久しぶり。これが、50年前の映画なのだから恐れ入る。どんな情熱で、当時これを作ったのか。並大抵のものではなかったはずだ。素材の美しさはもちろん、繊細なカメラワーク、計算された演出、潔い幕切れ、どれもすばらしい。
 その後、名作を見た感動も冷めやらぬまま新宿の居酒屋で飲んだ。モアイさんは映像にも詳しい人なので、『ローマの休日』の撮影技術についてなど、素人目には分からない苦労をいろいろ教えてもらって、とてもおもしろかった。また、芝居づくりに関して、演出に関して、いろいろなことをたくさん話せて楽しかった。

 それにしても、オードリー・ヘップバーンのあの正当な美しさ。あれはすごい。きっと、自分の中に、しっかりと芯を持っているからだろう。よし、私もこれからちょっとはあそこを目指す!
 
  
 12月1日(月)
 
 30年前の今日、私はこの世に生まれた。今日は私の誕生日である。
 今日、何人の人に「おめでとう」って言われたかな。大半は、「いよいよ三十路だねえ」という冷やかしつきなのだが、でもやっぱり誕生日ってなんか晴れがましくて嬉しい。いろいろな人から、おめでとうメールもいただいた。一番ウケたメールは、さんざん「お誕生日おめでとう!!」とかなんとか書いてある最後に、「愛子ちゃま!」と書いてあった。「愛子かよ!!」とベタな突っ込みを入れたくなった。お手振りなら、私のほうが上手いぞ。
 
 20代から30代へと変わる瞬間、何をしていたかと言うと、晶子さんと飲んでいた(って、まったくいつもと同じじゃん!)。旗揚げ公演に出演してくれたヒロさんの公演があったので、それを観に行ったついでに飲んだのだが、ついでの方がよっぽど盛り上がってあっという間に日付が変わってしまったのだ。晶子さんと2人で飲むのは久しぶりだったけれど、楽しくていつまでも飲める。私はベラベラしゃべってうるさいのはいつもどおりだけど、彼女と飲んでいるときが一番私らしい気がして楽チンなのだ。一番最初に「おめでとう」って言ってくれてありがとう!
 30代初日の今日、何をしていたかと言うと、仕事帰りに芝居を見た(って、これもいつもと同じじゃん!)。シアターモリエールで、開店花火という劇団の「地球とりはだ大航海」という作品。この劇団はすごくおもしろいと小耳にはさんだことがあって、一度見てみたいと思っていたのだ。千秋楽だったからよけいなのか、劇場は大入り満員だった。そして、芝居はなかなかおもしろかった!ストーリーそのものは単純で(芝居の大部分は劇中劇だし)、『さわやか3組』的な明るく正しい物語だったのだが、何がよかったって、役者の顔がよかったのだ。いやいや、イケメンぞろいだったわけではない、いや、イケメンもいたけれど、問題はそこじゃなくて、すっごくいい顔して芝居してたのだ。テンションも高いし、とにかく全身で芝居を楽しんでる!って感じが伝わってきた。演出もすごくおもしろくて、2つの場面がセリフをシンクロさせながら同時進行していたり、劇中劇を全員でうまく構成していたり。総勢19名も出ていたのだけど、役の大小はあっても全員にちゃんと存在意義があって、存在感があって、でも無理がなくて、とてもよかった。少年の心意気みたいなのが作品の中にすごく満ちていて、こういう作品を作る人はきっと男気のあるイイ男なんだろうなあ、とか思いながら見ていた。強いて言うならば、もうちょっとその作品なりの真理とか哲学(いやだね、この言葉)みたいなものがあったらもっとおもしろかっただろうし、泣きテイストが入っていたりしたらすごくよかったと思うんだけど、まあ、それは単純に私の好みの問題なので、あれはあれでいいのだ。とにかく、ラストシーンの役者の顔がとてもよくて、客出しの感じもすごくよくて(私は照れくさくて客出しのときあんまり役者の顔を見れないのだが)、なんだか元気をもらったような気がして劇場を出た。あの一致団結感が懐かしくもあり、ちょっとうらやましくもあり、「ああ、また芝居をやりたい〜!」と、めらめらと思った。

 そんなこんなな誕生日だったのだけれど、今年の誕生日は、私の中ですごく大きかった。
 ここ数年、誕生日なんてあんまり大したイベントじゃなかった。26も27も28も29も、大して変わらないと思ってたから。でも、今年は違う。20代から30代になるって、私にとってはすごく大きい感じがする。これから、もうどこにも20代の私がいないなんて、なんか変な感じがする。ここ2ヶ月ぐらい、もうすぐ20代が終わるんだということをけっこう意識しながら生活してきた。気持ちの中で身辺整理をするというか、新しい自分を迎え入れる準備というか、そんなつもりで暮らしてきた。先日の公演もそうだけれど、20代最後になりそうなことは、これが20代の自分の締めくくりになるんだよ、これでいい?と自問しながらやってきた。
 20代は、長かったけれどあっという間だった。あっという間だったけれど長かった。本当に本当にいろんなことがあった。自分もずいぶん変わったと思う。自分では変わっていないつもりでも、今振り返るとそれが分かる。もう一度やってみたいことはない。もう一度やり直したいこともない。やりたいことはそのときどきでやり尽くしたし、失敗したことは、全部20代に置いていく。
 そして、もっとやりたいことは、これからやる。これからの自分だからできることが、きっとたくさんあると思う。そして、いろんな意味で魅力的な人間に、なっていけたらいいなあと思う。