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8月31日(金)
  
 
 私はめんどくさがりだ。
 冬のファンヒーターをしまおうしまおうと思っていて、結局一年中出しっぱなしだ。デッキのCDをとりかえるとき、ちゃんともとのケースに戻すのがめんどくさくて、いざそのCDが必要なときに、全然違うCDがケースに入っていたりする。腕時計も、電池交換に行くのがめんどくさくてしばらく放っておいたら、今ではすっかり腕時計のない生活に慣れてしまった。
 で、しばらく前に私の自転車のスタンドが壊れてとれてしまった。そんなに乱暴に扱った覚えはないのだが、根元からポッキリ折れてしまったのである。当然のことながら自転車は自立しなくなってしまったが、でもまあ、何かに立てかけておけばとりあえず立ててはおけるし、そんなに不便でもないのでずっとそのままにしておいた。
 が、しかし。今日、帰ってきて、いつもの駐輪場にとめておいた自分の自転車に歩み寄ると、なんと自転車が自立しているではないか。それも、もともとついていたのより立派なスタンドがついて。うう・・・きっと「早く直しなよ」と言っていた駐輪場のおじさんが、見かねてやってくれたんだ。そのうえ、タイヤに空気まで入れてもらったようで、家まで快適走行で帰ってきた。
 いやあ、いい人っているもんだなあ。明日お礼を言わなくちゃ。・・・というか、人が見かねてやってくれるまで自分でやらない私ってなに!?ちょっとこれは恥ずかしいよ、と反省したのでした。



 今日は、友だちと表参道のレストランで夕ごはんを食べた。その辺をぶらつくのは久しぶり。ちょっとした路地裏まで、ぽっかりといいお店が潜んでいたりして、とてもおしゃれな街である。そこで、十分お食事になるそば粉100%のクレープを食べ、ワインを飲み、仕上げに4種類のアイスクリームやシャーベットをとって、たくさんおしゃべりした。
 帰りに、コーヒーでも飲んでいこうということになり、路地裏の小さなカフェを見つけた。その店のとなりに小さなネイルアートのお店があったので、2人で入ってみることに。そこには何百種類ものマニキュアが用意されていて、指先のお手入れや色付けをやってくれるそうだ。私たちは、マニキュアを塗ってくれるだけのベーシックなプランを選んで、ためしにやってみることにした。
 私は、なんの自慢にもならないが、つめが小さい。物心ついたときからずっとつめを噛む癖があった。昔ほどではないが、その癖は今も治っておらず、緊張したり、なにか考えごとをしているときには知らず知らずのうちに噛んでいる(本を書いているときや、稽古中は特にひどい)。また、噛まないときも、ちょっとでも伸びていると我慢できなくてすぐに爪切りで切ってしまう。その積み重ねにより、今私の両手のつめは、かなりの深爪になっているが、今ではもう痛くもないし血も出ない。
 そんな爪を人にまじまじと見せるのは少し抵抗があったが、まあ、ものは試し、とやってみることにする。たくさんの色の中から私が選んだローズピンクのマニキュアで、一本ずつ私の指先が染められていく。ベースコートからていねいに塗って、マニキュアはちゃんと二度塗りをして、仕上げに甘皮のケアのためにオイルを垂らしてくれた。
 私は、指先がきれいな人はおしゃれだと思っている。自分の体のすみずみまで気を配ることは、なかなかできそうでできないことだ。だから、中高年の女性でも、きれいに指先を手入れしている女性に会うと、私はとても感心する。動きもそう。指先・足先まで意識がいきとどいていると、見ていてとてもきれいだし、自分を演出することにちゃんと情熱をもっている人だから、魅力的だ。
 で、そのお店の人に、「あと、3ミリ伸ばすと、指先のおしゃれがもっと楽しくなりますよ。」と言われた。・・・だよねえ。「で、でも、この爪じゃ伸ばしてもあんまりきれいじゃないんじゃ・・・」と逃げを打つと、「あら、そんなことないですよ。細いし、伸ばせばきれいな形になりますよ」と言う。むむ。そんなこと言われたの、初めて。そういえば、私は伸びた状態の自分の爪を生まれてこのかた見たことがないわけだ。3ミリ・・・3ミリか、つらいなあ。絶対気になるよなあ。でも、ゲンかつぎで本番まで伸ばしていようかしら。迷いながら、きれいに輝く10個の爪と、にらめっこする私でした。


 
今日の気球速度:時速85km
         
たまには都会でお食事するのもいいねえ。
  
 
  
8月28日(水)
  
 
 昨日は、初めて稽古を休んでしまった。今までも、どうしても仕事の都合がつかないときに稽古日を変えてもらったことはあったけど。みんな、ごめんね。

 で、何をしていたかというと。
 私の勤め先は、高円寺駅の近くにある。高円寺というと、毎年阿波踊りで盛り上がる街。なぜ高円寺で阿波踊りなのかはよくわからないが、とにかくこれでもかというほど人が集まる、大きな祭りだ。
 で、職場の関係者に阿波踊りの連長がいて、たまたま今年、「やってみませんか?」と誘われたのである。私は阿波踊りはやったことがなかったし、しかもそのように誘ってもらったのが先週の話。自分にできるのかどうか分からなかったが、お祭りは好きだし、やってみたらおもしろいかも、と思ってとりあえず練習を見に行くことにした。
 この間の日曜日、ちょっと緊張しながら初めて稽古場にうかがう。本番前最後の練習とあって、稽古場でもときどき怒号が飛ぶ緊張感。超初心者の私まで本番に出してもらえることになって、ますますドキドキ。女踊りは体形移動などの演出があるから今からでは難しい、ということで、私は男踊りを教えてもらった。
 うまい人についてもらって、まずは鏡を見ながら練習する。阿波踊りというとなんとなく適当でも踊れるようなイメージがあるが、人に見せる阿波踊りはやはりそれだけのセオリーがあるのだ。腰を落とし、手足は同じ側を同時に出したり引いたりする(これが、普通に歩くときとはまったく逆なので、ボーっとしているとめちゃくちゃになる)。手は、出したときも引いたときもピタッと止めて決める。両手の平を正面に向けると、お客さんに「帰れ」という失礼なポーズにあたるそうで、手の平は常に微妙に内側を向けておく。指先を少し外側にそらすときれい。なおかつ、それでも手の平が客側に見えないように少し手の平をつぼめておく。足はいったんつま先で地面に触れるように着地し・・・と、こまごまとしたことはキリがないが、教わりながら私は、美しく動くための体の動きは、表現方法はどうであれ、不変のコツがあるんだな、と感心した。
 たとえば、腰を落とした姿勢。これは、殺陣のときの構えの姿勢に似ている。そして、骨盤や肩の向きなど、よけいなところを動かさないように注意しながら動くことはフットワークに似ている。そして、肩や手はきちんと脱力できていなければならない。
 練習していたら、もうものすごく汗をかいて、びっしょりになった。最近稽古でもここまでは汗かいてない。それだけ体力を使う踊りだということがわかった。

 練習の日の筋肉痛を残したまま本番を迎える。練習1回で本番に出てしまうというのがそもそも無謀なのだが、最初はけっこう緊張した。高円寺の商店街を順番に踊りながら回っていくのだが、メインとなる大通りは特に、両脇に圧倒的な人だかり。1日目は「なんかすごいところに来てしまった・・・」と思ったが、2日目はだいぶ余裕が出てきて楽しめたような気がする。
 少しまわりを見まわすと、連によって衣装やお囃子のリズム、踊り方もいろいろな流儀があるようで、それがまたおもしろかった。酔っ払い踊りというのか、完全にオリジナルに、愛嬌たっぷりに踊る人もいて、周囲の笑いを誘う。終了時間間際になると、どんどんヒートアップして、ほとんど連の別なく一緒に踊り、興に乗ったお客さんも参加して、すごいテンションになった。
 ああ、お祭りって、楽しいな。2歳・3歳の小さな子から、超ベテラン級まで一緒になって遊べる機会ってなかなかないと思う。そして、踊りや、着付や、いろいろなものが次の世代へと伝えられていく。今はみんな男踊りをしている子どもたちも、やがて大きくなって、女踊りの仲間入りをしたり、いい若い衆になって先頭の提灯を持ったりしていくのだろう。終わったあとの打ち上げで、そんないろいろな年代の人たちとお話しながら飲んだのも楽しかった。
 ぽっかりと、とても貴重な3日間(練習を含めて)を過ごすことができて、私はすごくラッキー。これから、もっと練習してみようかなあ。きれいな女踊りにも憧れるし。

 でもまあ、何はともあれまずは公演に向けて。土曜日稽古から、ちゃんと稽古場に戻りまぁす。



今日の気球速度:時速200km   踊らにゃ、そんそん。
 
 

8月24日(日)
 
 
 あ〜!
 私はびっくりした!びっくりしたぞ!
 それで、時間に追われてる仕事があるのに、急に日記を書きたくなってしまった!
 私が尊敬する役者、長野里美さんが結婚していたとは!ていうか、これって世間の常識だった??好きなくせに知らなかった私は、今相当なショックである。しかも、ご主人と演劇ユニットを組んでいたとは!先日旗揚げ公演が終わったとは!しかもホームページまであって、長野さんが日記まで書いていたとは!ぜんっぜん知らなかった。無知は罪です・・・。
 あ〜ん、見にいきたかったなあ。絶対に見たかった。すごく、面白かったみたいだし。来年早々に、第2回公演があるらしいから、それは絶対に見にいくぞ!絶対!這ってでも見にいく。ホームページもいい感じです。好きな方、ぜひ見てみて!
       http://www8.ocn.ne.jp/~tolera02/

 結婚しながら(しかもご主人も演劇人で)、あんなすてきな役者でありつづけるなんて、まさに私の憧れだ。芝居をやるというと、どうしても生活やプライベートを犠牲にする覚悟がなければ、みたいなイメージもあるけれど、両方をちゃんと実現している人がいるのは、私にとっては大きな励みだ。私は欲張りなので、仕事や、芝居や、他にもいろいろな場所でいろいろな自分を持っている。そういう自分が好きなのだけれど、たまに忙しすぎたり、他のことでのストレスにも影響されたりするときがある。そんなときは、「やっぱり二兎追う者は・・・」とチラッと思うこともあるんだけど、ちゃんと両立できる人だっているんだ。
 まあもちろん、それを本気で職業にしてやっていこうと思ったら、そのうえで生活を考えるのだろうし、理解あるパートナーとの出会いがあったり、軋轢を乗り越える呼吸が合っていたり、信頼の支えがあったり、いろんな条件がうまく噛み合った結果なんだろうけど。
 芝居をやるということを、「若いときはあんなこともやっていた、楽しかったもんだ」という思い出にとどめたくない私としては、
長く芝居を続けている諸先輩がたの生き方にはとても興味がある。で、自分も、今から、今日から、できるだけいい生き方をしたいと思う。



今日の気球速度:時速99km
   妙に発奮してきた!
   あーでも、まずは目の前のやるべきことをやらねば・・・
   
  
 
8月22日(木)
  
 
 今日はお休みだったので、12時過ぎまで寝てしまった。このところ、なんだかんだと忙しくてあまり寝ていなかったので、ここぞとばかりに寝てしまった感じ。起きてからも、まだまだ眠れそうな感じだったけど、ほっとくといつまで寝ているか自分でもコワイので、一応起きることにした。目覚める直前まで、夢を見ていた。劇団のみんなと、遊園地に行った夢。ものすごくハードなジェットコースターがあって、それに乗ろうとして並んでいる途中で目が覚めた。

 夜、久しぶりにマスターキーの稽古に行った。
 初めての人もいたので、ストレッチや筋トレも段取りを追ってゆっくりやった。久しぶりに会った人に、「体やわらかくなりましたね」と言われてうれしくなった。たしかに、初めてマスターキーの稽古に参加したときに比べたら、私の体はずいぶん柔らかくなった。何でも継続は力だなあ、と実感。そしてフットワークや、なまえ鬼をする。とても熱くなって、楽しかった。
 それから、来年の春にマスターキーチャレンジ公演として行う予定の、キャラメルボックスの「4月になれば彼女は」という作品の本読みをした。心さんが、演出の立場でキャスティングを決め、全体を見てくれた。私は見たことのない作品で、まったく先入観をもつことなく読み合わせに臨むことができた。全員で、入れ替わり立ち替わりいろいろな役について読んでみたが、どの役もとても楽しかった。久しぶりに役者の立場に立ってみて、つくづく役者っておもしろいなあ、と実感した。心さんの演出ぶりも、まだまだこれから本領発揮するんだろうけど、とても心さんらしくて、実際に彼女が演出として稽古場に立つ日が楽しみになった。
 それにしても、マスターキーのメンバーと会うと、不思議な感じで心が和む。いろいろな人がいるけれど、みんなとても元気で、なにごとによらず肯定的で。妙にはしゃぐこともなく、気負うこともなく、私にとってはとても自然でいられる大事な場所のひとつだ。来春の公演にも、何らかの形で力になりたいけれど、気球計画の次回公演との兼ね合いはどうなるかなあ。

 帰り道、自転車をこいでいて、夜の空気がとても気持ちよくなってきたことに気づいた。私は暑い季節は苦手なので、これからが好き。これからの季節特有の切なさも好き。私は常々思うのだが、 切なさを切なさとして感じていられるのは、気持ちにゆとりがある証拠。ゆとりがなくなると、切なさは簡単に悲しみや怒りや恨みに姿を変えてしまうから。
 一日一日を、もっとシンプルに、大切に過ごしていきたいなあ、と思うこのごろであります。



今日の気球速度:時速80q
            夏が終わるのは悪いことではない。
 

8月21日(水)
 
 
 今日、一通の封書が届いた。裏返すと、忘れもしない、ある役者さんの名前が。中身は芝居のDMだったが、知り合いではなかったので、なぜその方から直接私にDMが来たのか、びっくりした。
 その役者さんが出ていた芝居を見たとき、私はお腹がよじれるほど笑った。中でもその人があんまりキラキラしていたので、アンケートに絶賛の言葉を書いて帰ったのだ。きっとそれを見て、自分の公演を教えてくれたのだろう。
 中のメッセージも手書きでていねいだった。あのとき舞台で輝いていた人が、直接ボールペンを手にして見知らぬ私の名前を書き、わざわざ公演情報を送ってくれたことがとてもうれしかった。そして、きっと見にいこうと心に決める、単純な私でありました。

 昨日の稽古に、稽古場見学の方、ヒラカワさんが見えた。最近、あまり募集記事を載せていなかったので、新しい方が見えるのは久しぶりのこと。ちょうど来られたときに、みんな死にそうな形相で筋トレをやっているところだったので、コワイ集団だと思われたのではないかとやや危惧する。その後、例のダンスだったので、ますますアヤシイ集団だと思われたのではないかと心配・・・。
 でも、そんなこちらの思惑をよそに、ヒラカワさんは穏やかに稽古場の様子を見守っていた。今までの芝居経験も、聞くと面白い話がたくさん出てきて、しばらく稽古そっちのけで質問攻めコーナーになった。新しい人が来たとき恒例の、年齢当てクイズも実施。マ−ケンがめずらしく年齢相応に見られたのは、顔黒効果か!?
 ヒラカワさんは、旗揚げ公演にスタッフとして関わってくださることになった。どうぞよろしくお願いします!



今日の気球速度:時速40km
      いくら夜型の私でも、睡眠時間1時間はツライ。
      今日こそは早く寝るぞ!


8月15日(木)
 
 
 私は、小劇場の芝居をよく見に行く。しかし、当然のことながら、見終わったあとに「ああ、おもしろかった。見に来てよかった」と思える芝居ばかりではない。
 見に行った芝居が、私にとってとてもつまらなかったとき、自分でも嫌な客だと思いながら、拍手は3回しかしないことにしている。何はともあれ、舞台を作り上げた労力に対するねぎらいの意味だけ。アンケートも、書かない。
 つまらなかったけど、いいところもあったな、というときは、アンケートは書く。でも、けっこう批判的なことを書く。いいことばかり書いてあるアンケートはうれしいけど、そのとき読み流すだけで、芝居をもっとよくするためのヒントにはならないから、私なりに感じたことを書かせてもらう。
 おもしろかったときは、もちろん惜しみなく拍手をするし、アンケートでも絶賛する。いいところを、参考にさせてもらおうと思ってよくおぼえておく。よかった芝居は、本当にずっと忘れない。
 よく私と一緒に芝居を見に行くぶっさんは、私の反応があまりにも露骨なのでとなりでハラハラするらしい。でもやっぱり、たとえ知り合いが出ている芝居でも、同じ芝居人として、素直な反応を伝えたいとは思う。自分の芝居でも、もちろん批判的な声も含めて、たくさんの感想を寄せてもらえるような芝居がしたい。お客さんに、おべっか使ってもらってもしょうがないもんね。

 で、今日見に行った芝居は、とてもおもしろかった!
 劇場は中野のザ・ポケット。西川たけしプロデュースのCHAINGANGというユニットによる、「クロスロード」という芝居。
 サノくんの知り合いが出ているということで、サ奈ちゃん・月ちゃん・びっきー・ぶっさんと、5人で見に行ったのだが、2時間の長さを全く感じることなく、引きこまれた。
 役者がみんな元気で生き生きしていたし、やってて楽しそうだった。本当に楽しそうにやっていると、セリフの噛みとか、全然気にならないもんなんだなあ、と思ったりもした。たくさん笑えたし、メッセージがストレートで、見終わったあと元気が出てきた。
 日曜日までやっているようなので、まだ見てない人はおすすめです。



今日の気球速度:時速90km
       今週は夏休みにつき、着々と充電中。
  

8月14日(水)
 
 
 今日は一日中、部屋のかたづけ&掃除&洗濯をして過ごした。ふだんは決してまめな方ではないが、思い立つと徹底的にやりたくなる。夕方には、とても気持ちのいい部屋になって満足。満足のあまり、お昼寝までしてしまった。たまにはこうして本当にのんびり過ごす一日も大事よね。

 昨日は、1時からぶっさんとまさみさんと3人で、自主稽古をした。平日の昼間ということで、他の人は来られなかったが、たまたま3人の休みが合ったので、いい機会だった。
 時間にゆとりがあるというのはとてもいい。ゆっくり基礎練をしてから、ダンスの練習。それぞれのフォームをあらためて見直しながら、よりカッコよくなるように練習を重ねる。初めてデジカメのムービー撮影機能を使って、ポーズや動きをチェックすることもできた。ん〜、最近の機械は便利だのう。
 それから、2人の見せ場でもあるシーン10の稽古。同じシーンを集中的にくり返し稽古できたので、お互いに気持ちが高まってよかった。私も、今までよりもっと細かくイメージをふくらませて稽古に臨めたような気がした。今週から、土曜日の稽古時間が延びるので、他のシーンももう少しじっくりできるようになると思う。楽しみ。

 6時からは、みんなが集まってきて、通常の稽古となった。6時半には、ストレッチと筋トレが終わって全員でダンスの練習に入ったが、外が暗くなってきたので、窓ガラスが姿見のかわりになってちょうどよかった。それにしても、日が短くなったもんだね。つい最近まで、もっとずっと明るかったのになあ・・・。まだまだ真夏のような気がするけど、季節は流れているんだね。そんで、秋になって長袖を着るようになったら、もうすぐに本番だ。しんみり・・・してる場合じゃないぞ!まだまだ、本番までにやらなきゃならないことたくさんあるけど、最後まで楽しんでやっていきたいと思う。



今日の気球速度:時速70km
     ダンスが熱い!気分はすっかりラテン系。

 

8月11日(日)
  
 
 今朝目覚めたら、なんだかいつもより部屋の中が明るかった。カーテンをあけると、昨日よりずっと視界がひらけていたので驚いた。前にも書いたが、私の部屋の向かいは都立高校で、もう2年ごしで校舎の建て替えを行っていたのである。晴れて新校舎ができたので、私の部屋の前にそびえたっていた旧校舎は取り壊しになったわけだ。昨日・今日と、ずいぶん工事がはかどったらしく、旧校舎はもうほとんど取り壊されて、そのぶん私の部屋には燦燦と日光が差すようになった。まあ、うちにとってはありがたいことだけど、なんでもそうだが、壊すのはあっという間なんだなあ。作り上げるのには、その何倍も時間がかかるというのに。

 それにしても、毎日暑いね。
 昨日は稽古だったけど、家を出たとたん引き返したくなったぐらい暑かった。ストレッチしただけで、汗だくになっちゃうほど。しかし、もちろん容赦なくダンスもする。ダンスは、男性パートも女性パートも分け隔てなく、みんなずいぶんそろってきたぞう!最終回の公演では、カーテンコールで本編では踊らない人たちも含めて、みんなで踊りたいなあ、と画策中である。
 昨日の稽古では、劇中のワンシーンで、3人の役者が立て続けにあるポーズを決めるところをやった(なんのポーズかはナイショ)。そのシーンは、できるだけ派手なポーズでお客さんを魅了してもらいたいのだけど、でも、なかなかそのポーズが決まらない。そこで、みんなであらためてストップモーションの稽古をやることになった。まずは普通のストップモーションの稽古をして、徐々にイメージを指示していく。同じ指示でも、とっさにとるポーズはそれぞれみんな違って、見ているほうも面白い。中には、「そ、それは違うだろう!」というポーズの人も出てくるが、とっさにそのポーズを選んでしまったことがまたその人らしかったりする。何度か繰り返す中で、これこそは!というポーズが出てきて、無事採用、決定となった。ちなみにその採用ポーズはサノくんによるもの。ヒロさんのポーズもまた絶妙だったのだが、あまりにもみだらなので不採用となった。でもさあ、本来は女の子のポーズなのに、どうして男の子たちの方が発想が豊かなのぉ!?発想というより、妄想がはたらくのかしら・・・。その勢いに乗って、そのシーンは全体的にテンションが上がり、とてもテンポのいい稽古になった。ああ、おもしろかった。

 いよいよ、公演まであと2ヶ月半。そろそろ、少しずつ稽古時間が長くなっていく。
 なんとなく、もうすでに芝居は始まっているような気がする。大きな意味では、今回の芝居を舞台に乗せようと思った時点から、キャストはもちろん、私も含めてスタッフもみんな、役者の一人だ。新しい人が加わることも、なにかハプニングが起こることも、セリフのない芝居みたいなもんだ。意外と、事実は芝居より奇なりだったりして。まあ、全部ひっくるめて、いい芝居にしたいもんです。



今日の気球速度:時速60km
    あまりの暑さに幻覚が見えそうだよ・・・
  

8月7日(水)
  
  
 忙しくて、しばらく気球日記を書けないでいるうちに、あっという間に8月になってしまった。

 先週末は、いよいよ待ちに待った合宿だった。2日の夕方、吉祥寺から出発。残念ながら参加できなかったメンバーもいて、結局全部で10名が参加。先乗りしているサノくん以外の9名が、1台のレンタカーに乗り込む。しかし、出発の日はものすごい雷雨・・・前途多難の前兆でないことを祈りつつ、他に替わりはいない(あとはみんな無免許かペーパードライバー)運転手、ぶっさんに命を預けて、私たちは軽井沢へ向かった。
 途中、ひろさんを拉致して関越道から上信越道へ。思いのほか時間がかかり、中軽井沢の駅でサノくんと合流したとき、すでに夜中の11時半だった。にもかかわらず、車内は道中ずっとハイテンション状態。助手席で時間や道順のことを気にしてそわそわしている私の背後から、マーケンの笑い声が重低音で鳴り響く。そして、ぶっさんの眠気覚ましも兼ねて、延々と山手線ゲームが続く。つっかえた人の罰ゲームは、一曲歌うか、早口言葉。でも、みんなハイで舞い上がっているものだから、どのお題も一周しないうちに終わってしまうのだった。

 ようやくサノくんの親戚筋の別荘に到着したのは12時少し前。辛うじてその日のうちに着いたので、ひとまずホッとする。その家は、まさに緑生い茂る山の中にあった。車を降りて、懐中電灯のあかりを頼りに山道を少し下りる。あたりは真っ暗だった。東京ではまずない、深い深い闇。森全体が深呼吸しているような空気。うっ、いい雰囲気!それからさっそく無事到着祝いに、乾杯。「今日はもう遅いし、明日は7時起きでランニングするんだから軽くね」と言っていたはずなのに、なぜか横になったときには外が明るくなっていた・・・。

 2日目の朝、起きてびっくり。く、9時!?あ〜、いきなりみんなして寝坊・・・全員が、きっと誰かが起こしてくれると信じて、誰も目覚ましをかけなかったらしい。気を取り直し、今を7時だと思うことにして(強引)、以降の予定を少しずつ繰り上げることにする。さっそく外に出てランニングまたは散歩。登りがちょっときつかったけど、空気がものすごくおいしかった。だいぶ日も高くなっていたのに、むっとするような暑さは全然なくて、さわやかだった。
 朝食後、しばらくみんなで遊ぶ。その中で、名前を呼び合ういつもの名前ゲームをアレンジして、役名名前ゲームをやったところ、「そんな人いないよ!」という名前まで飛び出して大笑いだった。意外にも(?)みんみんが強くて、一度も間違えなかったので驚いた。
 遊んだ後、ストレッチと筋トレ。家の中なので、フットワークはさすがにできず、かわりにたっぷりと寝にょろをする。ふだんの稽古の中では、なかなか寝にょろに十分な時間を割くことができないが、脱力したり、リラックスしたり、信頼関係を養ったりするのにはとてもいい稽古。なんたって気持ちいいし。しかも今日は畳の上なので、なおさら気持ちよかった。ああ、日本人でよかった。
 昼食のしたくを待つ間、劇中で使うダンスの練習。曲はしばらく前にとまっちが選んでくれていたが、振り付けは合宿までの私の課題だった。ここ数日、いろいろなダンスのビデオを見たり、自分で鏡の前で動いてみたりして、ちょっとずつ動きを決め、完成したのがなんと前日。自分でもまだところどころアヤしかったが、とりあえずやってみることにする。始めてみると、みんな覚えるのが早い、早い。また、隠れダンス好きがあちこちで発覚し、ベランダやリビングで踊る人も。これで振りはほとんど入ったので、あとはカッコよく踊れるようになるのみ!それが一番大変だったりして・・・。
 それにしても、どうしてダンスってあんなに楽しいんだろ。音楽に合わせて、思いきり体を動かしていると、頭の中がくらくらして、ずっとこのまま踊っていたいような気持ちになってくる。私はマラソンはあまり好きじゃないんだけど、きっとランナーズハイも似たような感覚なのだろう。

 午後は、役者の課題になっていた、それぞれに役についてのスピーチを行った。
 私は、ひとつの芝居で表現されるドラマは、それぞれのキャラクターの長い人生の、ほんのワンシーンでしかないと思っている。人生には、センセーショナルなイベントに満ちた期間だけではなくて(もしそうだったら死んでしまう)、その前後には必ず、時には退屈かもしれない日常があるのだ。そして、芝居でとりあげるワンシーンに至る前には必ず、それを必然的なものにするだけの事情があるのだ。ドラマは、根拠があってこそドラマになる。と、私は思うので、役者のメンバーにそれぞれの役の履歴を考えてきてもらった。
 これは、とてもおもしろかった。もちろん、本を書いた私の頭の中にも、それぞれの役の履歴はあるけれど、それと似た履歴を考えた者もいれば、全然違う履歴を考えた者、さらにもっと想像力をふくらませて新しい物語を含ませた者もいた。本当は架空のものでしかないキャラクターが、それぞれの頭の中でくっきりと確かなものになっていくようで、興味深かった。本に書かれている内容と明らかに矛盾するものでなければ、その役を演じる役者自身が、自分にとって信憑性があり、共感しやすいと感じる履歴をイメージしていくのがいいと私は思う。

 夜は、チラシや衣装のことについて打ち合わせをした後、お楽しみの時間。
 きもだめしである。
 この日のために、サ奈ちゃんは会談話をたくさん用意してくれて、サノくんと私がまずそれを読み聞かせすることになっていた。サ奈ちゃんと2人でコースの仕込みをして帰ってくると、リビングはさっそくおどろおどろしい雰囲気に演出されていた。部屋の明かりを落とし、どこから持ち出したのか、キジの剥製まで置いてある。
 そこで2編の怪談を披露してから外へ出て、クジ引きで決めた2人組みでコースへ出て行く。おりしも雷鳴が遠くで鳴り響き、空は無気味に光って、雰囲気抜群だった。まあ、昼間ランニングしたコースだし、暗いだけでお化け役はいないから、そんなに怖くもないんだが、いろいろ想像し始めると、何もかも恐ろしいものに見えてくる。つくづく、恐怖心は自分の想像力から湧いて出るものだ、と思った。
 そのあとは、楽しい花火の時間。手持ち花火なんてやったの、何年ぶりだったかな。私はデザートの線香花火にいち早く手を着けてしまって、怒られた。だって、やりたかったんだもん。

 2日目の晩も、明るくなるまで飲んでしまったが、3日目はちゃんと7時に起きられた。ていうか、あれだけ体使ったり声出したりしたのに、みんなタフ過ぎる!2、3日したら、リバウンドが来るぞ〜!
 ああ、あっという間に帰る日だ。基礎練・寝にょろをして、またダンスをし、最後にエチュードをした。スピーチとも共通するけれど、本に書かれていない部分の過去を、実際にエチュードして感じてみるというもの。いろいろな設定でやってみたが、どれも爆笑だった。セリフがないから、出てくる言葉はみんな役者自身の自然な言葉だし、その人の考える役のイメージがはっきり出てくるので、とってもおもしろい。枕を抱えて笑ってしまった。帰りの時間が迫ってきたので、今回の合宿ではあまりたくさんできなかったが、また機会を見つけてやりたいと思う。

 ということで、気球計画初の軽井沢合宿は幕を閉じた。
 みんなの食事メニューを考えてくれた台所隊長サ奈ちゃん、寝不足にもかかわらず往復の運転を担当してくれたぶっさん、つくづくお疲れさまでした。宿舎を提供してくれたサノくん、どうもありがとう。そして、その他のみなさんも、盛りだくさんのメニューでお疲れさまでした。いまだに寝不足が治らず、歩きながらでも眠れそうですが、でも今回の合宿、すっごい楽しかったぞ!



今日の気球速度:時速150km
  あの睡眠時間で、あれだけのことができたのは、
  火事場のバカぢからってやつだろうか?